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【アパートの部屋数は何部屋がベスト?】部屋数が少ないメリット・デメリットを解説
アパート経営を始める際、どのくらいの規模の物件が良いのか迷う方もいるでしょう。
あまり部屋数が多い物件だと、投資額が大きくなってしまいますし、逆に部屋数が少ない物件だと空室リスクが心配という声も聞きます。
本記事ではアパート経営を始める場合に、気になる物件規模・部屋数について、部屋数によるメリット・デメリット、物件規模を決めるポイントなどについて解説します。
目次
アパートの部屋数はどうやって決まる?
木造や軽量鉄骨のアパートの場合、4部屋~10部屋の物件が多いですが、そもそも、アパートの部屋数はどのように決められているのでしょうか?
アパートの部屋数には、建ぺい率と容積率が大きく関係しています。
●建ぺい率とは
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築物の建築面積の割合のことです。
例えば、土地面積100㎡・建ぺい率50%の土地であれば、この土地には50㎡の面積までしか建物を建築できないことになります。
都市計画区域においては、建築物の日照や通風などを確保するために建ぺい率が定められており、その割合は用途地域によって異なります。
●容積率とは
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合のことです。
例えば、土地面積100㎡・容積率200%の土地であれば、この土地には200㎡の延べ床面積までしか建物を建築できないことになります。
つまり、1階あたりの延べ床面積が60㎡の建物を3階まで建築はできますが(60㎡×3=180㎡<200㎡)、4階は建築できない(60㎡×4=240㎡>200㎡)ということです。
これら建ぺい率・容積率は土地によって変わってきます。
建物を建てるには、その土地それぞれの建ぺい率・容積率の範囲内で設計する必要があるため、何部屋の物件でも建てられるというわけではないのです。
様々な不動産会社の企画物件を見るに、木造アパートの場合は、
・2階建ての4部屋物件
・2階建ての6部屋物件
・2階建ての8部屋物件
・3階建ての6部屋物件
・3階建ての9部屋物件
が多いように思いますが、中には4階建ての物件や1棟10部屋と部屋数が多い物件もあります。
また、1階にピロティ(壁はなく柱だけの外部に開かれた空間。駐輪スペースなどに使われることが多い)があるなどで、2階建ての7部屋のような物件も存在します。
ただ、一般的に「アパート」と言われる物件は4部屋~9部屋ほどが目安と考えて良いでしょう。
※参考:マンションとアパートの違いって?
実は、「マンション」と「アパート」の違いは、建築業者や不動産会社などが、部屋数や建築構造によって呼び分けているだけで、法的に明確な区別はありません。建物の種別を示す不動産登記簿謄本では、アパートやマンション、コーポなどは一括して「共同住宅」とされています。
当ブログでは、木造や軽量鉄鋼造の2~4階建ての共同住宅を「アパート」、鉄筋コンクリート造の5階以上の共同住宅を「マンション」としています。
アパートの部屋数によるメリット・デメリット
アパートを経営を始めるにあたって、部屋数の少ない物件からスタートした方が良いのか、部屋数が多い物件を狙った方が良いのか、悩んでしまう方もいらっしゃるかと思います。ここでは、部屋が少ないことによるメリットとデメリットを紹介します。
部屋数が少ない場合のメリット
① 物件価格を抑えられる
部屋数が少ない分、建築費を抑えられ、融資を受けやすいというメリットがあります。融資の兼ね合いで小さい価格帯の物件を探している場合には、4部屋や6部屋の物件を狙うのが良いでしょう。
②売却がしやすい
①に付随したメリットですが、物件価格が小さく市場に購入できる人が多いため、部屋数が多い物件に比べて、売却時にも買い手が付きやすいと言えるでしょう。
③賃貸需要の高い間取りに設計しやすい
部屋数が少ない物件の方が、全室を窓が2面に取れる角部屋にできたり、隣の部屋の生活音が聞こえにくいような配置にできたりと、設計の自由度が高まります。
部屋数が少ない場合のデメリット
①空室リスクが高い
空室が出た場合、収益への影響が大きくなる点は大きなデメリットでしょう。例えば4部屋の物件では、1室が空室になると、入居率は一気に75%まで下がります。
これが8部屋の場合では、1室が空室になっても、入居率は87.5%と、1部屋の空室が全体に与える打撃が少なく済みます。
また、4部屋の物件では、1部屋空いただけで赤字ということも起こり得ます。
②物件の買い増しがしにくい
①に付随したデメリットですが、所有物件が赤字もしくは利益が少ないと、次の物件の融資を受ける際に足かせになる場合があります。
銀行は、収益の回っている物件は「資産」として見ますが、赤字の物件は「負債」として見るため、融資を受けにくくなるのです。
複数棟の所有を目指している方は、1棟目からきちんと収益の生まれる物件を選ぶ必要があります。
③投資効率が落ちる
一般的に、部屋数が多ければ多いほど、1部屋あたりの建築単価は抑えられます。
8部屋の物件を1棟取得するのと、4部屋の物件を2棟取得するのでは、事業総額も自己資金額も断然、4部屋の物件を2棟取得する方が大きくなるでしょう。
部屋数が同じなので、得られる収益は同等だと考えると、部屋数の多い物件を1棟取得する方が、投資効率が高いということになります。
アパートの部屋数を決めるときのポイントとは
アパートを購入あるいは建築して経営する場合、部屋数は何で決めたらよいでしょうか。ここでは部屋数を決めるポイントについて解説します。
融資可能額から考える
どんなに部屋数が多い物件が欲しいと思っても、その規模の物件に対して融資が出ないようであれば、考えても意味がありません。
まずは自分にどれだけの額の融資が出るのかを確認し、その融資可能額から物件規模を逆算して考えると、効率よく物件選びができます。
所有物件の部屋数から考える
不動産経営では「5棟10室」という言葉があります。5棟もしくは10室以上保有していると「事業的規模」に該当し、最高で65万円の青色申告特別控除などのメリットが受けられるというものです。そのため、例えば区分マンションを1部屋持っている方であれば、8部屋の物件ではなく、9部屋の物件を取得することで、所有物件を「事業的規模」である10室とし、税的メリットを享受することが可能になります。
管理のしやすさから考える
部屋数が多ければ多いほど、設備の不具合や入退去の回数、入居者同士のトラブルが起きる可能性は高まります。管理を管理会社に一任する場合は、部屋数はあまりに気にする必要がありませんが、会社勤めをしながら副業でアパート経営を行い、自主管理を目指す場合は、自分で管理できる規模を見極める必要があるでしょう。
賃貸需要から考える
お持ちの土地にアパートを建築する場合は、一概に部屋数だけを考えるのではなく、そのエリアでどのような間取りの部屋が賃貸需要が高いのか、調査することが重要です。
部屋数が少ない場合のデメリットに挙げたように、一般的に部屋数が多いほうが投資効率は高まります。
例えば、1Kを12部屋建てられる土地だったとしても、そのエリアに1Kの需要がなければ、結果、空室になり、収益性は落ちてしまいます。
そのような場合には、あえて1K12部屋ではなく、1LDK6部屋の物件にした方が良いということもあります。
まとめ
ここまで、アパート経営において、部屋数によるメリット・デメリット、物件規模を決めるポイントなどについて解説しました。部屋数が少ないアパートであれば、①物件価格を抑えられる、②売却がしやすい、③賃貸需要の高い間取りに設計しやすいというメリットがありますが、一方で、①空室リスクが高い、②物件の買い増しがしにくい、③投資効率が落ちる、というデメリットもあります。
一概に部屋数が少ない方が良い・多い方が良い、ということはなく、個人の融資可能額や、お持ちの物件の部屋数などによって、ベストな部屋数・物件規模は変わってきます。
どんな物件を選べば良いか分からないという方は、個別でご相談いただければお答えしますので、お気軽にお問合せください。